学会長挨拶

第57回京都病院学会
学会長 藤澤 明生
人生100年時代を健康に生き抜く「健康長寿社会」の実現に向けて
先ず初めに、日本で新型コロナウイルスの感染が認められて以来、皆さんがこの未曾有の感染症との闘いに勇敢に立ち向かっていただいていることに対し、ここに改めて敬意と感謝の意を表したいと思います。
新型コロナウイルスは、今から3年前の2019年12月に中国武漢市で第1例目の感染者が確認され、これまで多くの国の医療や経済に多大な影響を与えてきました。徹底した感染予防で流行速度を緩め、複数回のワクチン接種や治療薬の開発が進む中、次なる波に備えつつも、ポストコロナの新しい社会に向けた準備を進めることが必要となります。
これから迎える超高齢化 “2025年問題” により、雇用や医療、福祉といった様々な分野への影響を余儀なくされていますが、前回の「WITHコロナ、愛と誠と夢のある病院づくり」を継承しつつ、準備を怠ることなく患者さんに最善の医療と安心を提供したいと考えております。
そこで本学会では、『人生100年時代を健康に生き抜く「健康長寿社会」の実現に向けて』をテーマに、更なる健康的な生活及び長寿を享受できる社会の実現にについて、皆さんと一緒に考えたいと思います。
メインの基調講演は、近畿大学 客員教授 山田秀和先生をお招きして、『「Aging Control」老化について考える』をご講演賜り、誰しもが興味ある老化抑制 (Antiaging:アンチエイジング)について学びたいと思います。
特別講演は、『医療安全施策の動向』をテーマに、厚生労働省医政局地域医療計画課医療安全推進・医務指導室、医療安全対策専門官 栗原健様より医療安全施策についてご講演を賜り、より信頼される病院づくりの実現を皆様と一緒に考えたいと思います。
また、継続演題として、引き続き「働き方改革」をテーマとさせていただきました。医師の長時間労働の改善、看護師が育児をしながら働き続けられる多様な勤務形態を導入する等、勤務環境改善の取り組みについて皆さんと議論し、共有できればと切に願っております。
要望演題は、「医療の2025年問題」 必要となる対策と致しました。医療や介護の需要と供給のバランスの崩壊が懸念され、地域で連携して医療や介護サービスを提供していく仕組みを整えることが必要となります。医療従事者としてどのような対策をとっていくべきか、在宅医療への関わり方など含め、視野を広げて皆さんと議論できればと思います。
今回も引き続きハイブリッド形式での開催となりますが、本学会の開催に向けて準備を進めていただいている関係各位のご苦労に深甚なる感謝を申し上げるとともに、皆様方の多数のご参加を心よりお待ちしております。
2022年6月吉日
基調講演

近畿大学客員教授
山田 秀和 氏
【略歴】
1981年 3月 | 近畿大学医学部卒 |
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1989年 3月 | 近畿大学大学院修了.;大阪大学細胞工学センター(岸本忠三研)への国内留学,オーストリア政府給費生にてウイーン大学、米国ベセスダNIH留学免疫学教室. |
1999年 10月 | 近畿大学医学部奈良病院皮膚科 助教授 |
2005年 4月 | 近畿大学医学部奈良病院皮膚科 教授 |
2007年 4月 | 近畿大学アンチエイジングセンター副センター長(併任) |
2014年 7月 | 大阪市立大学皮膚科 客員教授 |
2021年 | EXPO2025 「大阪パビリオン」推進委員会委員(ディレクター) |
2022年 4月 | 近畿大学 客員教授 |
【関係学会等】
2021年 4月 | 日本化粧医療学会 理事長 (現) |
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2021年 6月 | 日本抗加齢医学会 理事長 (現) |
日本皮膚科学会, 日本アレルギー学会, 日本東洋医学会, 日本美容皮膚科学会
特別講演

厚生労働省医政局
地域医療計画課
医療安全推進・医務指導室
医療安全対策専門官
栗原 健 氏
【略歴】
医学部を卒業後、総合内科医として勤務。
米国で医療の質・患者安全分野と出会い、本分野の重要性を知る。
その後、一般病院や大学病院で医療安全の専門の医師として勤務し、経験を積む。
2021年4月より現職。
