京都病院学会

第58回京都病院学会は多数の参加をいただき、盛会裏に終了致しました。
ご参加いただきました皆様、ご協力いただきました関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

2023年11月26日をもって今学会の配信は
終了致しました。

学会長挨拶

第58回京都病院学会
学会長 若園 𠮷裕

新型コロナ感染症(COVID-19)が発生し既に3年が経過しました。致死率など毒性が低下し本年の5月8日より2類相当から5類への対応となりアフターコロナが現実のものとなってまいりました。これまで各病院では受診抑制、救急の受け入れ制限、院内クラスターによる医療制限など種々のことがらを経験してこられたことと思います。今まで経験したことのない事象に対し各病院で適正に対応されてきたことに深く敬意を表し感謝を申し上げたいと思います。社会ではいろいろの制限が解除されてゆきますが医療の領域ではまだしばらく制限と抑制が続いてゆくものと考えられます。また次回の第8次医療計画においても新興感染症に関する項目が加わり5疾病5事業から5疾病6事業となり変化してゆきます。

一方日本の社会は少子高齢化社会をまっしぐらに進み2040年頃には多死のピークを迎えることが知られております。高齢者の医療や生活の問題、終末期における医療・介護の在り方やどう対応しどう寄り添うのかという課題は目前に迫り避けて通れない時代となっております。ACP(Advance Care Planning)についてはかねてよりいろいろな場所で、いろいろな局面で述べられてきました。しかしACP~人生会議~を普通に家族やチームでお話をするという状況にはまだ課題があるようにも感じています。今回はそのような状況を鑑み、改めてACPに光を当て実践を含めて学び直したいと考えました。昨年は藤澤明生会長のもとで「人生100年時代を健康に生き抜く「健康長寿社会」の実現に向けて」というテーマで学会を開催されましたが、その文脈は継承しつつ、今年度の基調講演では「ACPの目指す取り組みと落とし穴」と題して淀川キリスト教病院の池永昌之先生に改めてACPの重要性と必要性ならびに今後の展望をお話しいただきます。

また特別講演として「医師の働き方改革に伴う地域医療体制」と題して今後の医療提供体制について日本医師会常任理事の城守国斗先生より解説をしていただきます。COVID-19により一時足踏みをしていた第8次医療計画や地域医療構想はどのように変化するのか働き方改革との整合性も含めてお伺いすることができればと考えております。

また継続演題として引き続き働き方改革を取り上げました。医師の働き方改革は2024年度より開始されますし、全職種の働き方改革についても特に子育て支援などに注目して議論してゆきたいと思います。

今回も引き続きハイブリッド形式での開催となりますが、本学会の開催に向けて準備を進めていただいている関係各位のご尽力に深甚なる感謝を申し上げますとともに、皆様方の多数のご参加を心よりお待ちしております。

2023年4月吉日

基調講演

講師/淀川キリスト教病院
緩和医療内科主任部長
池永 昌之 氏

【略歴】

平成 2年  3月 宮崎医科大学(現宮崎大学)医学部医学科卒業
同年    6月 淀川キリスト教病院内科勤務
平成 5年 10月 同病院ホスピス科勤務
平成22年  4月 同病院ホスピス部長
平成24年 11月 淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院副院長
平成27年  4月 淀川キリスト教病院緩和医療内科主任部長、副医務部長、臨床倫理委員長
現在に至る

【学会・資格等】

日本内科学会認定内科医
日本緩和医療学会認定緩和医療専門医
日本緩和医療学会代議員
日本ホスピス緩和ケア協会理事
日本死の臨床研究会理事
日本緩和医療学会 鎮静ガイドライン改訂WPG副員長、緩和ケア普及啓発WPG副員長

【著書】

「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)実践ガイド:患者・利用者の生き方・
暮らしに焦点をあてた意思決定支援に向けて」(編、中央法規、2020)
「一般病棟だからこそ始める緩和ケア」(著、メディカ出版、2009)
「緩和ケアマニュアル」(共著、最新医学社、2007)
「ギア・チェンジ」(編、医学書院、2004)
「死をみとる一週間」(編、医学書院、2002)

特別講演

講師/日本医師会常任理事・
医療法人三幸会理事長
城守 国斗氏

【略歴】

昭和58年 3月 新潟大学医学部卒業
昭和58年 4月 京都府立医科大学整形外科学教室
昭和63年 7月 京都第一赤十字病院
平成11年 6月 社会福祉法人京都社会事業団西陣病院 副院長兼部長
平成17年 6月 医療法人三幸会 理事長(現)
平成20年 4月~
平成29年 6月
京都府医師会理事
平成24年 6月~
平成30年 6月
日本医師会「広報委員会」委員
平成26年 6月~
平成28年 6月
日本医師会「財務委員会」委員
平成26年 6月~
平成30年 6月
日本医師会代議員
平成29年 6月~
令和元年 6月
京都府医師会副会長
平成30年 6月~ 日本医師会常任理事(現)
令和元年 6月~ 京都府医師会顧問(現)

【賞罰】

令和2年 4月 藍綬褒章
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